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熊田 政弘; Vandergraaf, T. T.*
Journal of Contaminant Hydrology, 35(1-3), p.31 - 40, 1998/00
被引用回数:6 パーセンタイル:24.11(Environmental Sciences)高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価において重要な核種であるNpについて、深地下の地球化学的条件下における移行挙動をAECLとの協力により調べた。カナダ、マニトバ州の地下実験施設において、地下250m付近の亀裂帯から採取した岩石試料と地下水を用いてカラム実験による移行実験を原位置条件下で行った。3通りの流束(0.3、1.0及び3.0ml/h)でNpをスパイクした地下水約30mlをカラムに注入した。同時に注入したトリチウムの破過曲線は得られたが、注入後95日経っても、Npの破過曲線は得られなかった。移行試験の終了後にカラム充填物を1cm刻みにしてNpのカラム内分布を求めた。1次元輸送モデルをNpのカラム内分布に適用し、カーブフィッテングからNpの遅延係数を得た。Npの遅延係数(Rf)には大きな流速依存性が認められ、Npの遅延速度(Vn)は1桁以上変化した。
小川 弘道; 向井 雅之; 大貫 敏彦; 山本 忠利
JAERI-M 90-065, 11 Pages, 1990/03
自然の通気砂層から未攪乱状態で採取した土壌層試料に対する放射性核種移動試験の結果から水流速、分散長および遅延係数を決定し、土壌特性値および試験条件から推定された水流速、分散長および遅延係数と比較した。核種移動試験における分散長は、土壌特性値から推定した値と同程度であったが、水流速は、土壌特性値および試験条件から推定した値よりもやや大きかった。Csの遅延係数は、土壌特性値から推定した値とほぼ同程度であったが、CoのおよびSrの遅延係数は、土壌特性値から推定した値の数倍から数十倍になった。
大貫 敏彦; D.E.Robertson*
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol. 176, p.615 - 622, 1990/00
陰イオン性化学種として存在する放射性コバルトの地中移動を、液体廃棄物処分場から漏出した核種データを用いて検討した。陰イオン性化学種と他の化学種との間の相関係数が大きくなかったことから、化学種間の相互変換はなかったと判断できた。地下水中の濃度の時系列の相互相関を求めることから、陰イオン性化学種として存在するCoの移動速度を求め、遅延係数を算出した結果、19という値が得られ、陽イオンイオン種を対象とした従来の実験室内で得られた値よりも1200倍小さかった。また、地中の濃度分布から、陰イオン性化学種として存在するCoの移動は、2つの移動部分に分けられることが明らかとなった。
山本 忠利; 武部 愼一; 小川 弘道; 田中 忠夫; 向井 雅之; 古宮 友和; 横本 誠一*; 和達 嘉樹
JAERI-M 89-189, 18 Pages, 1989/11
低レベル放射性廃棄物最終貯蔵予定地より未攪乱状態で採取した4種類の通気層土壌試料を用いて、降水模擬条件での核種移行試験を行った。流出液中のSr、Csは検出限界以下で、Coは10~10Ci/mlの小さな値であった。土壌中の核種移行は表面では指数関数的な濃度減少を示し、イオン形で吸着した。深部では穏やかな濃度減少を示し、核種及び土壌の種類により非イオン形の移行が異なった。さらに表面付近の濃度分布から、遅延係数を計算し、10~10の大きな値を得た。これら土壌は大きな保持能力を有することを確認した。一方低濃度部分については高濃度部分の値に比べて1~2桁小さな値を示した。放射性汚染水による試験と比較したところ、表面では遅延係数が多少異なった。一方深部ではローム層上部でCoの僅かに大きな遅延係数が認められた。
山本 忠利; 武部 愼一; 小川 弘道; 田中 忠夫; 向井 雅之; 古宮 友和; 横本 誠一*; 和達 嘉樹
JAERI-M 89-144, 23 Pages, 1989/10
低レベル放射性廃棄物最終貯蔵予定地より未撹乱状態で採取した4種類の土壌試料(ローム層上部、下部、砂層、凝灰質層)を用いて、実験室規模での核種移行試験を行った。流出液中の核種濃度はいずれの土壌においても、Sr、Csは検出限界以下で、流出したCoにおいても510Ci/mlの小さな値であった。土壌中の核種移行は、高濃度部分では土壌の種類に依らず、各核種の大部分が土壌表面付近に吸着したのに対して、低濃度部分では深部まで移行した。特にローム層上部でのCoの移行が大きかった。核種による土壌中移行分布の違いは、核種の化学形および土壌の種類の双方に依るものと考えられる。さらに核種の遅延係数をイオン形での移行が支配的である高濃度部分から計算し、10~10オーダの大きな遅延係数を得た。こられ土壌が大きな保持能力を有することが確認された。一方、低濃度部分については、非イオン形での移動が関与し、高濃度部分の値に比べて1~2桁小さな値を示した。
大貫 敏彦
Waste Management 87, Vol.3, p.213 - 217, 1987/00
砂層を用いたカラム実験において得られた濃度分布に、拡散輸送方程式を解いて得た分布をフィッティングすることから、放射性ストロンチウムの遅延係数を求めた。さらに、得られた遅延係数を統計的に検討して、遅延係数の信頼区間を算出した。その結果、遅延係数は正規分布すること、深さ方向について母集団が異なることが明らかとなった。信頼区間の推定値より、信頼度を高めようとする場合には小さな遅延係数値を、核種移動予測に用いる必要があることが示唆された。
小川 弘道; 大貫 敏彦
JAERI-M 86-102, 15 Pages, 1986/07
放射性核種の土壌中濃度分布または流出濃度分布より放射性核種の土壌中移動を予測する為の因子(遅延係数,水流速,拡散係数等)を算出するコ-ド(MIGSTEM-FIT)を開発した。本コ-ドでは、放射性核種の移動支配方程式の解と測定により得られた濃度分布とをFlexible Tolerance法により比較し、最適の予測因子値を決定する。求解法の1つである差分法の正当性は解析解との比較により確認し、既知の予測因子を有する濃度分布に対するフィッティングにより、フィッティングの正当性を確認した。また、誤差の影響を検討したところ、算出される予測因子の誤差は濃度分布の誤差よりも小さくなる事が明らかになった。
大貫 敏彦
Waste Management, 6, p.175 - 180, 1986/00
pH12の溶液中に溶解したコバルト-60の移動をカラム内に形成した砂層(5cmx12cmH)を用いて検討した。200mlのCo-60水溶液と3800mlの水とを砂層に流入して、流出曲線と砂層中濃度分布曲線とを得た。pH12におけるそれらの分布をpH3におけるそれらと比較した。また遅延係数と拡散係数をフィッティング法により求めた。pH12におけるCo-60は層から流出したがpH3におけるCo-60はほとんど層内に溜まった。pH12における遅延係数はpH3におけるそれの60倍であったが、拡散係数は同じであった。したがって、pHにおけるCo-60の移動挙動はpH3におけるそれと異なる。